卵子凍結

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ノンメディカルな(社会的)卵子凍結

ノンメディカルな(社会的)卵子凍結

卵子凍結は、

「今は仕事を優先したい状況にある」
「いずれ妊娠したいが、今はパートナーがいない」
「パートナーはいるが、いますぐ結婚や妊娠は考えていない」
「いずれ妊娠したいが、年齢とともに妊娠への漠然とした不安が大きくなってきている」

このような想いを抱いている女性への新しい選択肢となります。

卵子凍結とは?

卵子凍結(未受精卵凍結)とは、将来の妊娠に備えて若い状態の卵子を保存し、子供を授かりたいタイミングで凍結しておいた加齢による影響が少ない卵子を用いて妊娠を実現し、出産するための準備です。プレコンセプションケアの最も高度な治療と言えます。

日本産科婦人科学会では、「ノンメディカルな卵子凍結をお考えの方へ」という動画を提供しています。

どうして卵子凍結が最近話題になっているの?

テキストテキスト

日本では晩婚化が進み、女性の平均初婚年齢は29.0歳、第1子出産時平均年齢は30歳を超えています。妊娠適齢期と言われる20代を過ぎた後に結婚・妊娠を迎える人が多くなっています。このように、仕事やパートナー不在によって歳を重ねることで、妊娠適齢期を過ぎてしまい妊娠率が低くなることを「社会性不妊」と言います。

そうした状況で、東京都では卵子凍結に対して助成金がでるようになるというニュースが流れ、年齢を重ねることによる妊娠率の低下、流産率の上昇を心配する女性が増え、若いうちに卵子を凍結保存しておく「社会的卵子凍結」が注目されるようになりました。

何個の卵子を凍結するのが望ましく、どれくらいの妊娠が期待できるの?

表1.2をご参照ください。
一概には言えませんが、37歳までなら20個あればかなりの可能性があり、38歳以上だと20個あっても50%程度と推測されます。また、1回の採卵数はAMH(主に年齢に依存する)によるため、年齢が上がるほど目標個数に達する採卵回数が増える傾向にあります。

何個の卵子を凍結するのが望ましく、どれくらいの妊娠が期待できるの?
何個の卵子を凍結するのが望ましく、どれくらいの妊娠が期待できるの?

参考文献:
表1:R H Goldman, et al.Hum Reprod. 2017 Apr 1;32(4):853-859
表2:A Cobo,et al.Hum Reprod. 2018 Dec 1;33(12):2222-2231

費用

卵子凍結はすべて自費診療になります。
自費診療は高額療養費制度の対象外のため、申請はできません。
2024年4月時点では、東京都もしくは限られた企業にお勤めの方しか助成金はありません。

当院では、卵子凍結を希望された方が目標凍結個数に達して欲しいと考えています。そのため、たくさん採ってたくさん凍結しても、他院と比較していただければ、比較的踏み出しやすいような価格設定にしております。

ご家族が卵子凍結を希望された場合…

卵子凍結における採卵術は手術です。たくさんの卵子回収が見込まれる場合は静脈麻酔で行うことも多いです。

手術には原則としてご家族(主に両親・兄弟姉妹など)の同意が必要です。医療に絶対はないので、静脈麻酔だけでも数千分の一の確率で怖い合併症も起こり得ます。そのため、当院では緊急連絡先は必要とさせていただいています(法的には本人のみでも可能ですが…)。

以前、ご両親の反対で泣く泣く卵子凍結を断念された方がいらっしゃいました。そのような状況の方は、ご希望であれば一緒にカウンセリングも行いますので、お気軽にご相談ください。
(私見ですが、もし私の娘が希望した場合は絶対に賛成します。娘の考えを尊重したいという思いと、「あの時に賛成してくれていれば私は妊娠できたかもしれないのに!」という、将来大きな亀裂が生じるリスクは避けたいという観点からです…)