一般不妊治療_TI/AIH/FT

  • HOME>
  • 一般不妊治療_TI/AIH/FT

タイミング療法(排卵誘発剤併用)

タイミング療法とは?

タイミング療法とは、エコー検査(超音波検査)で卵胞の大きさを確認しながら、最適な性交渉のタイミングをご提案する治療法です。

妊娠率が高いタイミングはいつ?

妊娠率が最も高いのは排卵の1~2日前なので、このあたりでの性交渉をおすすめしています。
排卵の3~5日前でも妊娠する可能性はありますが、排卵の翌日では妊娠率0%になります。そのため、予想排卵日よりも早めのタイミングを考慮する方が良いでしょう。
妊娠率が高いタイミングはいつ?

タイミングはどれくらいの回数とるのが良いの?

回数は多くても妊娠率が下がることはありません。そのため、タイミングをとるのが苦手ではないカップルは、クリニックに通う前に意識的に回数を増やしてみるのも良いかもしれません。

しかし、現在の生殖世代カップルの共働き率は8割を超えていると言われており、忙しい毎日の中で頻回のタイミングをとるのは難しいのが現実かもしれません。タイミング指導を行っても、「忙しくて今回はとれませんでした…」というお声もよくお聞きします。そのため「この2~4回は外さないでください」と的確にアドバイスできるタイミング療法こそが、現代の共働き世代のカップルにとって大変有効な治療法だと考えています。

排卵誘発剤は必要?

排卵誘発剤には、セキソビット、クロミッド、レトロゾール、hMG製剤(注射)などがあります。必ず使用しなければいけないわけではありませんが、それぞれの特徴を生かし、患者様ごとに適した排卵誘発剤を選択します。

特に、月経周期が不規則だったり、長かったりする方には、ほとんどの場合で必要になります。そういう意味では、月経が乱れている方ほど、通院でのタイミング療法の有効性が高いと言えます。

どれくらいの期間続けるの?

どれくらいの期間続けるの?

3~6ヶ月が目安になります。
ただし、通院前にお2人で頑張っていた期間が長いカップルや、性交渉をとるのが難しいカップル、年齢的に早くステップアップしたいカップルは、より短い期間で人工授精に進んでいただくことも可能です。

反対に、ご希望があればより長い期間続けていただくことも可能ですが、通院でのタイミング療法が12ヶ月を超えるとそれ以降はほぼ妊娠しないというデータがあるため、長くても12ヶ月までとしています。

AIH(人工授精)

AIH(人工授精)とは?

AIH(人工授精)とは?

人工授精とは、当日に採取した精液を調整し、子宮内に注入する治療です。精液を培養液と混ぜて遠心分離し、精漿を除去して精子を濃縮することで、精子の運動が活発になり、妊娠の可能性が高まります。

どんな人が対象となるの?

精液検査結果で軽度~中等度の異常が見つかった場合や、性交渉がうまくいかない場合(腟内射精困難、勃起不全など)が最も良い適応です。
また、タイミング療法を3~6回行っても妊娠しない場合も、体外受精にステップアップする前に人工授精を行うことが多いです。ただし、タイミング療法と人工授精の違いは良くも悪くも精子の入る場所が違うだけなので、精液検査結果が良好で、タイミング療法期間が長かった場合は効果がないことも多いです。

妊娠率はどのくらい?

年齢や精液所見にもよりますが、1回あたりの妊娠率は6-10%が期待されます。
累積妊娠率は、30代で20%、40代で10%です(日本生殖医学会による1316周期の統計データより)。

妊娠率はどのくらい?

※40歳未満であればAIH3〜4回で約17%が妊娠(妊娠例の約80%)
※累積妊娠率は40歳未満で約20%、40歳以上で約10%
子宮内精子注入法(IUI)1816周期の臨床的分析 生殖医学会2010より引用

どれくらいの期間続けるの?

3-4回が目安で、多くても6回までを推奨しています。
人工授精での累積妊娠率は、4回で85%、6回で95%に達するというデータがあります。そのため、3-6回人工授精を行っても妊娠していない場合は、人工授精での妊娠が困難と考え、体外受精へのステップアップを考慮します。

FT(卵管鏡下卵管形成術)

卵管造影検査で卵管の狭窄や閉塞とわかった場合に、FTを検討します。
卵管は卵子と精子が出会い、受精する場所なので、詰まっていたり、狭くなっていたりする場合には通りを良くしてあげる必要があります。

治療効果はどれくらい?

自然妊娠や人工授精での妊娠成立が期待できる方法のため、治療の選択肢を広げることができます。
卵管の通過性の改善率は95%以上で、半年以内の妊娠率は30%と言われています。

治療期間や費用は?

静脈麻酔で行うため痛みはほとんどなく、日帰りの手術になります。
保険診療で3割負担となります。ほとんどの方が高額療養費制度を利用することになりますので、下記のリンク先をご参照ください。

どれくらい効果が続くの?

効果はおおよそ半年間続くと言われています。FT後に妊娠した方の多くは、術後9ヶ月以内、特に4ヶ月以内に妊娠しています。そのため、当院ではFTから半年経過しても妊娠しない場合は、体外受精も検討します。

FT(卵管鏡下卵管形成術)の方法

FT(卵管鏡下卵管形成術)の方法
月経が終了してから排卵日までの間に行います。
手術にはバルーン(風船)が内蔵されたFTカテーテル(直径約1mm)と卵管鏡(内視鏡)を使用します。

カテーテルを腟から子宮、卵管入口まで挿入し、カテーテルに内蔵されたバルーンを卵管内に押し進めることで卵管を拡張し、閉塞や狭窄した卵管の通過性を改善させます。同時に卵管鏡で卵管内腔の状態を観察します。

お腹を切らない経腟的なカテーテル治療のため、身体への負担は少なく、治療時間も15~30分程度で外来での日帰り手術が可能です。