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- 痛みの少ない卵管造影検査・精液検査・FT(卵管鏡下卵管形成術)
男性の「精液検査」と女性の「子宮卵管造影検査」
最も大事な「2つの検査」
不妊症検査の中で、最も大事な2つの検査は、男性の「精液検査」・女性の「子宮卵管造影検査」だと当院は考えています。
なぜなら、この2つは状況によってはすぐに致命的な問題になり得るからです。
「精子がとても少ない・元気がない」「卵管が両方詰まっている」という状況は、別の方法をとらなければ妊娠しない可能性があります。この2つの検査をせずに性交渉での妊娠を目指して半年~1年頑張った後に問題がわかった場合は、「その間の努力が無駄になってしまった…」と感じるかもしれません。
精液検査はすぐに受けましょう
なぜか精液検査を渋る男性がおられますが、遅かれ早かれ受けなければならない検査ですので、先延ばしにするメリットは一切ありません。射精した精液を調べるだけですので、痛みなどはありません。
子宮卵管造影検査
子宮卵管造影検査は痛い?
子宮卵管造影検査をご説明すると、「痛いんでしょ?」「絶叫したってSNSに書いてあった」「以前にやってもう絶対にやりたくないんです」とおっしゃる方がほとんどです。
ですが、ご安心ください。当院で行う「シリンジポンプを用いた子宮卵管造影検査」はほとんど痛みを伴いません。
卵管とは、精子と卵子が出会って受精する場で、精子・受精卵の通り道です。卵管が狭窄・閉塞していると、妊娠しにくい・妊娠できない可能性があり、卵管水腫が存在すると体外受精でも妊娠率が低下します。
そのため、子宮卵管造影検査は不妊治療においてとても重要な検査なのです。
「ほとんど痛みが少ないって本当?」と外来でも確認されますが大丈夫です。
卵管造影検査の痛みの原因は、造影剤の注入圧によるものです。痛みを少なくするには、一定のスピードで極力ゆっくり注入することが大切ですが、人の手で一定速度でゆっくり注入するのは限界があります。そこで「シリンジポンプ」という精密機械を使用することで、それを実現します。従来法と比較した印象は下記の通りです。
卵管正常 | 卵管狭窄 | 卵管閉塞 | |
---|---|---|---|
従来法 | 少し痛い~結構痛い | 結構痛い~かなり痛い | とんでもなく痛い |
シリンジポンプ法 | まったく痛くない | まったく痛くない~少し痛い | まったく痛くない~少し痛い |
※表は左右にスクロールして確認することができます。
検査後は、動画を一緒に見ながら検査結果をご説明します。卵管が狭窄・閉塞している場合は、卵管鏡下卵管形成術(FT)をご提案させていただくこともあります。
FT(卵管鏡下卵管形成術)
卵管造影検査で卵管の狭窄や閉塞とわかった場合に、FTを検討します。
卵管は卵子と精子が出会い、受精する場所なので、詰まっていたり、狭くなっていたりする場合には通りを良くしてあげる必要があります。
治療効果はどれくらい?
自然妊娠や人工授精での妊娠成立が期待できる方法のため、治療の選択肢を広げることができます。
卵管の通過性の改善率は95%以上で、半年以内の妊娠率は30%と言われています。
治療期間や費用は?
静脈麻酔で行うため痛みはほとんどなく、日帰りの手術になります。
保険診療で3割負担となります。ほとんどの方が高額療養費制度を利用することになりますので、下記のリンク先をご参照ください。
どれくらい効果が続くの?
効果はおおよそ半年間続くと言われています。FT後に妊娠した方の多くは、術後9ヶ月以内、特に4ヶ月以内に妊娠しています。そのため、当院ではFTから半年経過しても妊娠しない場合は、体外受精も検討します。
FT(卵管鏡下卵管形成術)の方法
月経が終了してから排卵日までの間に行います。
手術にはバルーン(風船)が内蔵されたFTカテーテル(直径約1mm)と卵管鏡(内視鏡)を使用します。
カテーテルを腟から子宮、卵管入口まで挿入し、カテーテルに内蔵されたバルーンを卵管内に押し進めることで卵管を拡張し、閉塞や狭窄した卵管の通過性を改善させます。同時に卵管鏡で卵管内腔の状態を観察します。
経腟的なカテーテル治療のため、お腹を切ったりなど身体への負担は少なく、治療時間も15~30分程度なので、外来での日帰り手術が可能です。