不妊治療の検査について

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超音波検査・卵胞径・内膜厚

超音波検査・卵胞径・内膜厚

エコー検査(超音波検査)では、初診時に子宮や卵巣に問題(子宮筋腫、腺筋症、卵巣嚢腫、子宮内膜症など)がないかを確認します。

卵巣内には複数の卵胞が存在します。自然な周期では、その中の1個が主席卵胞として発育し、18~26mm程度の大きさで排卵します。排卵時には、受精卵を受け入れる準備として、子宮内膜の厚さが7~8mm以上あるのが望ましいとされています。

尿中LH

卵胞径は18~26mmで排卵すると言われていますが、個人差があり、また使用する排卵誘発剤などによっても差が生じます。排卵前には、血中LHが一気に上昇するLHサージと呼ばれる現象が見られます。血中LHは尿中にも漏出するので、当院では一定以上の卵胞径になったところで尿中LHを補助的に測定し、排卵時期をより正確に予測することで、性交渉や人工授精のタイミングの精度を上げています。

AMH

AMHは残存卵子数の指標とされています。「卵巣年齢」という言われ方をすることもありますが、それは間違いです。卵巣年齢=実年齢=卵子の質は一致します。AMHは現時点での卵子の貯蔵量を表し、採卵時にどのくらいの卵子が回収できるかの目安になります。年齢に対してAMHが低い場合は、早めのステップアップが推奨されます。

FSH・LH・PRL・TSH

排卵を司る基礎ホルモン値です。排卵障害の原因となることがあります。

精液検査

精液の量、濃度、運動率などを調べます。WHO(世界保健機関)の基準値があり、検査結果によっては早めのステップアップや男性不妊外来への受診、すぐの体外受精を推奨することもあります。妊活の早期に必ず受けるべき検査です。

子宮卵管造影検査

子宮の形態と卵管の通過性を調べます。検査結果によっては、手術や体外受精を推奨することもあるため、こちらも妊活の早期に必ず受けるべき検査となります。

子宮鏡検査

胃カメラのように、子宮内をファイバースコープで直接観察します。超音波検査ではわ分からないような微細なポリープなど、着床不全の原因が明らかになることがあります。

フーナーテスト/抗精子抗体

フーナーテストでは、性交渉の約12時間後に子宮頸管粘液内を元気に泳いでいる精子がいるかどうかを調べます。フーナーテストの結果が悪い場合には、精子の動きを止めてしまう抗体があるかもしれないため、抗精子抗体の有無を追加で検査します。

慢性子宮内膜炎

子宮内の感染による慢性炎症が起こっている状態で、着床の妨げになります。原因菌は解明されていませんが、CD138陽性細胞が検出されると着床成績が下がるという報告があります。

子宮内フローラ検査

子宮内は乳酸菌(ラクトバチルス属)が多い方が妊娠率が高いという報告があります。ラクトバチルスは腟や子宮内で乳酸を産生し、悪玉菌の増殖を抑え、それに伴い悪玉菌に起因する過剰な免疫反応を抑制することができます。フローラ検査では、子宮内の細菌バランスを判定し、バランスが良くない場合は、悪い菌を抗生剤で減らし、ラクトフェリンやプロバイオティクスなどのサプリメントで善玉菌(乳酸菌)を増やす治療を行います。

ERA・ERPeak 「着床の窓」の検査

子宮内膜が受精卵を受け入れられる期間は比較的短いとされており、それを「着床の窓」と呼びます。胚盤胞移植の場合、一般的にはホルモン補充療法でプロゲステロンを投与開始して5日後が着床の窓とされています。しかし、反復着床不全の1/3に着床の窓にがあると報告されています。子宮内膜胚受容能の遺伝子発現パターンを解析することで、着床の窓にずれがないか、より良い移植のタイミングはいつ頃なのかを調べます。当院では検査結果と他の因子を考慮して、最適な胚移植時期をご提案することもあります。

PGT-A(出生前染色体検査)

PGT-Aは、胚盤胞の染色体を調べる検査です。