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体外受精・顕微授精・胚移植について
体外受精・顕微授精・胚移植とは、精子と卵子を体外で受精させ、培養した胚(受精卵)を子宮内に戻して妊娠の成立を目指す治療法です。
一般不妊治療(タイミング療法・人工授精)と体外受精の違い
一般不妊治療でできるのは「卵子の成長と排卵のサポート(排卵誘発)」と「精子を子宮内に注入する(人工授精)」だけでした。良くも悪くも、妊娠成立の大部分は自然妊娠と変わりません。
一方、体外受精では文字通り「体外」で胚(受精卵)まで育ててもらいます。あとは胚移植で着床してもらうだけです。治療レベルは一気に上がり、原因不明不妊症の大部分に対応できるため、妊娠率も格段に上がります。
体外受精(ART)の流れ
1
調節卵巣刺激で良質な卵子を発育させる
2
採卵(卵巣から卵子を採取する)
3
卵子と精子を受精させる(体外受精/顕微授精)
4
胚(受精卵)を培養する
5
胚凍結を行う
6
凍結胚を融解し、子宮内に胚移植を行う
7
妊娠判定
調節卵巣刺激
当院では、保険適用後も画一的な治療ではなく、年齢・AMH・AFCに合わせて、複数のhMH製剤と排卵抑制方法を組み合わせて調節卵巣刺激を行っています。
採卵
当院では、無麻酔・局所麻酔・静脈麻酔から選択できます。基本的には局所麻酔をおすすめしていますが、採卵予定個数が少ない場合は無麻酔の方が楽な場合もあります。反対に、採卵予定個数が多い方や、痛みや不安が強い方には静脈麻酔をおすすめしています。ただし、静脈麻酔の場合、採卵当日の車の運転は控えていただきます。
受精方法
体外受精(cIVF)
卵子を入れた培養液内に調整した精子を一定の割合で注入(媒精)し、翌日のタイムラプス培養器の画像で正常受精の有無を確認します。受精率は約60%です。
顕微授精(ICSI)
形態良好・運動良好な精子を1個選択し、顕微鏡下で極細のガラス針を使って、卵子の細胞質内に精子を直接注入する方法です。受精率は約70%です。当院では、より良質な精子を選択する方法・より質の高い穿刺技術として、IMSI・PICSI・polscopeの技術を用いることも可能です。
胚培養
正常受精した受精卵を最大6日間、培養器内で培養します。培養器(インキュベーター)内は子宮内と同じ環境になるように厳格に管理されています。当院では、原則として全例にタイムラプスインキュベーターによる胚培養を実施することで、より良質な胚培養を行っています。
胚移植
培養した胚を子宮内へ移植します。胚移植術は数分で終了し、痛みはほとんどありません。数分程度、安静にした後ご帰宅いただけます。移植当日は普段の家事をする程度にとどめて、入浴せずにシャワーだけで済ませてください。翌日からは、いつも通り生活していただいてかまいません。
移植方法には、自然排卵周期とホルモン補充周期の2種類があります。どちらを選んでも妊娠率に差はありませんが、個人差があり、合う方法は人それぞれ異なります。ただ、事前にどちらが自分に合っているかを知る方法はありません。
当院では、来院日の予定が立てやすいため、原則としてホルモン補充周期から始めます。ただし、過去に妊娠・出産や流産の経験がある方には、自然排卵周期から始めることをおすすめする場合もあります。自然排卵周期の場合、来院回数が少し多くなり、来院日の予定を立てるのが難しくなることがあります。
当院では妊娠率を上げる方法として、SEET法・二段階胚移植法・スクラッチ法なども選択可能です。